手作り下着の柳腰亭 » 愛好家
前ページのエッセイで、ロマンティックな男性下着という着想が、キャラクター・トランクスから芽生えたと述べました。
ちなみに、このトランクスはルパン3世模様。
でも単にそれだけではないのです。
わたくしの手芸サイトハンティが、とある下着関連掲示板で俎上に載せられていると噂に聞き、ちょっとのぞいてみました。
下着サイトを運営しているのに、同ジャンルのサイトを訪問することは滅多にありません。けっこう珍しい体験だったのです。
珍しついでにほかのスレッドも読んでみたところ、女性下着サイトであるにもかかわらず、男性の常連さんも多く、そのほとんどが女性用品愛用者のようでした。
そこでちょっとした疑問がわいたんですよね。
パンティを着用したい男性がこんなにたくさんいるのに、メーカーが男性用パンティの製造販売に着手しないのはいったいなぜ?
そりゃあ、デパートに売場を設けても、堂々と買いに来る男性は少ないでしょうけど。
こんなウェブサイトを持っている以上、誤解を受けるのは覚悟の上ですが、それでもひとこと、わたくしの立場を述べます。
わたくしはパンティをはく男性が好きではありません。
というより、男性がそういうものをはくという行為に、否定的冷笑的なのです。
そして、多くの女性がわたくしと同じ意見だと確信します。
パンティはわたくしたち女性のものです。
わたくしがもしパンティだったら、すべすべで柔らかい女性の体に密着して生涯を終えたいものです。男のヒップなんぞ包みたくはありません。
男性がパンティを穿くことは、女性の最後の聖域に対する冒涜に他なりません。
もうひとつ、医学上の警告をしておきます。
女性と男性は体型が違います。当然女性下着は女性の体に合わせて作られています。
小さなきつめの布で大事な部分を圧迫すると、蒸れたりかぶれたり、血行が滞ったり、とにかく健康にいいはずはありません。
それでも好きだからとはき続けると、バイアナンタラのお世話になる日も遠くはないでしょう。
柳腰亭のブリーフはパンティではありません。
いちおうですが、男性のボディ構造を配慮して作っております。
これらを公開することで、わたくしはひとつの出口を提示したかったのです。
ここに可愛くて健康的な男性下着がありますよ。
もはやあなた方は、こそこそと女性用パンティを穿く必要はありませんよ、と。
・・・・・・。
どうやらそれって、ひとり相撲だったようですね。
最初の疑問に戻ります。
なぜにパンティ好きな男性はパンティを穿くのか。
それはつまり、パンティが女性のものだからです。
どういう方法でか知らないけどなんとか入手した「本物」の女性用パンティを、ピチピチだろうがぎゅうぎゅうだろうが、自分の部屋でこっそりはいてみてこそ、「パンティを穿く」行為の価値が出るのです。
かわいい健康的な男性用パンティなんてもの、誰も望んでおりません。不健康・不健全こそパンティをはく醍醐味なのです。
だからメーカーも作ろうとしないのですね。
それでもわたくしは、『レースとフリルがいっぱいの男性下着』というコンセプトを捨てません。
個人的には、決してレースやフリルが好きなわけではないのです。
先に書いたように、わたくしは自称人形作家です。人形作りにレースは欠かせません。
しかし、わたくしの作る人形にレースやフリルを見出すのはわりと困難です。
わたくしはレースいっぱいのお人形さんを作りたくないのです。
理由はたぶん『人形にはレースが付き物』という既成概念への反発でしょう。
それはまた『男性下着にレースは禁物』という既成概念への反発にもつながるのです。
いろいろな価値観があります。
男性がパンティをはくことは嫌いだけど、それはそういう男性をバカにしたり、軽蔑することを意味しません。
ひとりひとりの好みを尊重し、その上で自分の好きなことも尊重してほしいと思うのは誰しも同じです。
パンティ好きの皆様、お体に気をつけて、楽しいパンティ・ライフを送ってください。